


祈りに始まり、技と心が響き合った一日
INJ メダリストWS
2023・2024年のINJが携わったタイマッサージ大会で輝いた、豪華11名のメダリストが一堂に集結したWSを開催しました!


10月17日(金)、東京都品川区のスクエア荏原にて、INJ(International Association of Nuad Thai in Japan)主催「メダリストワークショップ(以下、WS)」が開催されました。会場には朝から参加者が集まり、講師・審査員とともにマットを囲む自由練習が行われ、温かな交流の空気に包まれました。開会式ではタイのお坊様によるお清めが捧げられ、シヴァゴ先生像を前にマントラが唱えられ、心身が静かに整えられる時間となりました。祈りとともに学びへ向かう姿勢が会場全体で共有され、和やかなムードのなか、本編がスタートしました
“0分目の設計”からロイヤルの所作まで——前半セッション
前半のWSでは、まず佐藤泰子講師によって「施術前からお客さまの心を掴む足湯」が紹介されました。温度管理や所作、言葉の選び方までが丁寧に解説され、安心感を育む時間設計の重要性が強調されました。
続いて矢野剛司講師からは、圧迫とストレッチを同時に用いるアプローチが提示され、最小限の力で可動域を最大化する組み立てが示されました。
メイ講師は「タイ・ロイヤルマッサージ」の魅力を解説され、正確な圧と芸術的な所作が体験価値をどのように高めるのかが整理されました。
佐藤香織講師による「Smooth Wave」では、波のようなリズムで深層に届く“芯をとらえる”触れ方が実演され、呼吸と重心移動の連携が体感されました。
舞台裏と評価軸が語られたトーク、世界観を映したデモ
午後のトークセッションでは、審査員と金メダリストによって、競技の舞台裏や評価の視点が共有されました。安全性や一貫した世界観、所作の確かさが評価にどう結びつくのかが具体例とともに語られ、参加者の疑問が次々と解消される場となりました。
続くデモンストレーションでは、前田和香講師、齋藤千夏講師、伊藤空講師の表現が披露されました。目の前で圧の方向や重心の移動が可視化され、作品としての“流れ”がどのように構成されているのかが立体的に伝わる時間となりました。














伝統・道具・快のデザイン・理論——後半セッション
後半のWSでは、三品あかり講師が、強い刺激に頼らず深層へ導く「伝統スタイルの触れ方と所作」を提示され、動線や“間”の作り方が丁寧に解説されました。
常本菜々美講師は、バンブーを用いたセルフケアと首肩アプローチを紹介され、特性の活かし方と衛生面への配慮が整理されました。
吉井まお講師は、触圧・速度・“間”を組み合わせたドライヘッドの要点を共有され、“幸せホルモン”を引き出す設計が示されました。
酒井 陽講師からは、可動が変化する仕組みや呼吸が深まる理由が解説され、実技と理論が往復されることで、現場での再現性が高められました。
学びを循環させる「練習タイム」
開場直後と閉会後に設けられた自由練習では、講師・審査員・参加者がフラットに交わり、疑問がその場で確認されました。「見た→やってみた→フィードバックを受けた」という短い学習サイクルが自然と回り、技術の定着とコミュニティのつながりが一層強くなりました。最後は再び祈りの心持ちに立ち返るように、感謝と笑顔で締めくくられました。
この日、浮かび上がった3つの価値
所作と設計の力——“強さ”ではなく配列・タイミング・間で成果が生まれる考え方が共有されました。
おもてなしの可視化——足湯や声かけ、温度管理など、信頼形成のプロセスが具体的に整理されました。
理論との接続——可動・呼吸・快の裏付けが提示され、施術がより楽しく、再現性の高いものになりました。
和やかな空気の中、祈りと学び、実技と理論、そして“おもてなしの心”が一つにつながる一日となりました。大会で磨かれた技術は、競技の枠を越えて日々の施術に還元され、参加者それぞれの現場で生かされていくことが期待されます。




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開催概要
名称:INJ メダリストワークショップ
日時:2025年10月17日(金)
会場:スクエア荏原(東京都品川区)1階イベントホール
主催:INJ(International Nuad Thai in Japan)
内容:祈り(お清め・マントラ)/実技・理論WS/審査員・金メダリストトーク/デモンストレーション/自由練習 ほか
